南の島のハメハメハ
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 ミッドガルから北西方数キロの沖合いに、金持ちを対象にしたリゾート施設がある。
 ミッドガルから北西ではあるのだが、実際に地図で見た場合は南の端っこに位置しているので、要するに南の島ということになるのだろう、そのリゾート施設で、この度秘蔵品のオークションが行なわれることになった。
 そのオークション警備として、セフィロスを責任者として、ザックスとクラウドの三人が長期任務に任命された。勿論――ルーファウス神羅直の命令によって・・・。

 任務は、当日のオークションの警備。それ以外は、遊び暮らして構わない。
 これが条件。
 更に遊びにはルーファウスが用意した、神羅重役以上しか持てない、上限制限なしのゴールドカードを使っても良いことになっている。
 リゾートにたどり着いた三人は、まずホテルの手配をしなくてはならなかった。何しろオークションまでは三日程ある。その三日を、どこかで過ごさなくてはならないのだ。
 一堂がまず向かったのは、マリーナから一番近いホテルだった。
 ホテルマリアーナという、安直なんだかなんだか判らないネーミングのホテルは、しかし外装からするに、極普通の南国風ホテルだった。
「ここで良いだろう?」
 セフィロスが言うから、ザックスとクラウドは頷くだけだ。何しろ上官である。逆らうことは許されない。
 ところが・・・。
「一週間のご宿泊ですね。三名でしたら、前金で100万ギル頂きます」
 100万ギルーーーー!
 思わず三人の目が飛び出す。
 クラウドなど、その金額の多さに卒倒しそうになっていた。
 ソルジャー二人は、返事もせずにクラウドをかかえてホテルの外へ。
「もっと安い、心臓に良さそうなところを探そう!」
「俺もそれが良いと思う!」
 二人のソルジャーは、こうして血眼になってホテルというホテルを巡って宿泊先を探した。が――。
「ない・・・」
 極一般的な宿の値段といえば、高くても1万が良いところだ。なのに、ここでは100万単位は当たり前。
 勿論、ゴールドカードは使えるのだから、堂々と泊まっても構わないはずなのに庶民感覚がお手の物な彼等には、とてもじゃないが、そんな値段を払ってまで泊まろうという気にはならなかった。
 結果・・・。
 方々の労働階級達が出稼ぎに来た時に使う、コンドミニアムをレンタルすることにしたのだ。
 実際ソルジャーも労働階級で、任務が出稼ぎとするなら、まるで違和感のない状況であった。

 食事はセフィロスが作る。白いフリルのエプロンを、隣の部屋に住んでいる、ホテルの従業員から貰い受けて。
 何故セフィロスか、というと・・・意外に長い独身生活がたたって、三人の内一番料理が上手いから。
 背後が海のコンドミニアムでは、漁はし放題。
 ソルジャーザックスと一般兵士クラウドは、共に朝から魚釣り。
 食料はほぼ現地支給。更に、海とは反対側の密林には、食べられる草や獲物が山程生息していた。
 もう、既に自給自足。
 殆どゴールドカードに用はない。
 遊びに行くどころか、日々食料探しに忙しい。

 あっという間に最初の三日が過ぎて、お仕事の日がやってきた。
 オークション会場の警備主任に、神羅からの応援であることを告げて協力体制で警備を行なうのだが――。
 警備主任は見せられた身分証を見て、首を捻っていた。
 写真と目の前の人物が、あまりにも違うからである。
 写真に移っているのは、色白のいかにも神羅社員といった感じなのに、現実の彼らと言えば、顔は真っ黒でテカテカして――地元民です、と言われた方が余程しっくりするようなアロハ姿だったのだ。
 背後に、それだけ浮き上がって見える剣やら武器やらが異常におかしくて。
 応援のソルジャーです。と言われるよりも、実は自分達がオークションを狙っているテロリストです、とか言われた方が余程信じられた。
 しかし身分証は本物だったので、オークション会場に通した後、警備主任はさる人物の名前を思い出す。
「おいおい・・・あの黒光りした、ポニーテールのアロハ男が・・・セフィロス?」
 信じられない、オーマイゴットなのである。



 なべてよはこともなく。
 結局オークションは呆気なく終了。
 後、残り四日をやはりコンドミニアムで自給自足生活で過ごした彼らは、予定通り七日で神羅に帰還した。
 しかし、誰も彼等とは気付かず、神羅に入る為の検問で三度も呼び止められtら。
「全く、失礼なやからだな・・・」
 憤慨するセフィロスは、肌は黒くテカテカした上、見事だった銀髪は真っ赤に変色していた。それもこれも、照りつける陽にやかれたからだ。
 後二人も大体そんな感じで。
「任務というよりは、休暇って感じでしたね」
 にっこり笑ったクラウドは、かつての可愛さはどこへやら。
 黒光りしたどこかの兄貴になっていたのである。
 そしてクラウドに仄かな恋心を抱くザックスは――。
「ま、これから真っ向勝負しようや。クラウドの肌の色が戻ったらな」
 クラウドを巡る恋のライバルセフィロスと密約。
 とりあえず・・・黒いクラウドには萌えない・・・ということで。
終わり

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