HEART BOX

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パタン、と箱が床に落ちる。

そして詰め寄る相手の影になりながら、クラウドは壁に背を付けた。

「な、んだよ…ザックス…」

思わず顔を背けてそう言う。

いつになく真剣な顔をする目前のザックスに、クラウドは完全に押されていた。

でも、何故いきなりそんな態度に出るんだろう?

今さっきザックスの部屋に入ってきた時には、笑ってたのに。

そう思って、床に落ちた箱に目をやる。

――――――――お前に合ってる。お前にやろう。

そう言って貰ったフォトフレーム。

それが、何だか寂しげな感じで床に転がっていた。

「どういう気持ちだよ。そんなに嬉しいか?」

ザックスはふとそう呟いて、クラウドの服に手をかけた。その行動を目の端で捉えて、クラウドははっとする。何をされるかが分かり、必死にその手を払おうとしたが、反対に振り払われてしまう。

「やだ…やめろよっ!」

そう言ってもがく。けれど、いつもの優しさはどこかに吹き飛んでしまったかのようにザックスはその動きのピッチを上げた。

タートルネックの端を捲し上げてその下に手を潜り込ませると、胸の辺りまでを弄り、やがて突き当たった突起に指を絡める。

そうしながら、やや強引に唇を塞ぐ。

「んんっ…!」

クラウドはギュッと目を瞑って、ザックスの愛撫を受けた。何でいきなりこんな展開になってしまったのかは分からないし、ザックスとそうするのは勿論、嫌なことなんかではなかったけれど、意味が分からずにそうされるのはやはり違う気がする。

「ぁあ…っ」

固く突起していくのに、下半身までがつられるようにビクンとした。嫌だと思うのに、身体の反応はそれとは全く逆に興奮を見せていく。

これでは、ザックスの手に落ちるだけである。

「嫌なんてもう言えないだろ?」

ふと耳元で囁かれた言葉に、クラウドはカアアッと顔を赤らめる。そんなつもりじゃない。

そんなつもりじゃないのに―――――。

ズボンの中で窮屈そうにしているクラウドのそれを、ザックスはすっぽり取り出すと、余す所無く愛撫を加えていった。

思わず体勢がずれたりする。

「あ、ああ…っ、ザックス…っ」

「何だよ?手じゃ嫌か?」

仕方ないな、と言いながらザックスはその場に膝をついた。そうして立ち膝の状態で、これを口に咥え込む。

「あ、あっ」

妙な温かさが包まれて、クラウドはどうしようもなくなり背をズルリと落とした。ザックスの動きはそれでも止まなくて、クラウドを昇りつめさせるだけである。

囲いをなくした上半身が寂しくて、クラウドの手はザックスの頭に這う。

瞑った目では何も見えなかったが、ザックスの行為から漏れる、ちゅぷちゅぷとした音が耳に入って、何だかとても恥ずかしくなる。

いつもはそんなことは気にならないのに。

心のどこかでは、嫌だという気持ちがあるからだろうか。

それにしてももう抵抗の力などどこにも無かった。

少ししてクラウドが激しく身をよじらせたのは、背後に違和感を感じたからだった。それは、突然前触れナシにやってきて、クラウドをもがかせた。

「ザ…っ、だめ、だめっ!」

そう言うのに何も返事は無く、ザックスの指は足の付け根の裏を割って、その中に入り込んだ。浅く数回慣らすように出し入れをすると、最後にはずっぷりと中に入っていく。

「はあ、ぁ…っ!」

前後から同時に襲ってくる感覚に、クラウドは足を震わせた。もうどうにもならない感じがする。立っているのが辛い感じもした。

必死になって、ザックスを掴む。

それに反応したザックスはふと視線をクラウドに移すと、暫くしてから、随分と愛撫を加えていたそれを放した。そうして指はそのままに立ち上がると、クラウドの額に己のをコツンと当てて、呟く。

「俺が欲しくなったら言えよ」

「な…っ、何言って…!」

何となく悔しくなった。

いつもなら、優しく当然のように事を運ぶのに、そんなふうに敢えて恥ずかしくなるようなことを言うなんて。

そういえばザックスが真面目な顔つきになってこんなふうに詰め寄ってきたのは、あの箱の話をした直後だったように思う。それを思い返して、クラウドは何がいけなかったのかを考えようとした。

が、それは朦朧としてて難しかった。

身体の奥の方で疼く感じが、どうにも変な気分にさせる。かといってザックスの言葉通りにおねだりするのも何だか悔しすぎる。

でも、ザックスとの何回かの関係の中でもうその感触を知っていた身体にしてみれば、それは限界だった。

唇をかみ締めた後、クラウドは顔を背け、喘ぐ中で小さく声を出した。

「ザッ、クス…も…もう…っ」

「ん?」

もう…何だよ、そう熱っぽく返される。とてもじゃないが、はっきりとは言えそうもない。

そうした態度でいるクラウドに、ザックスはふっと笑う。

「欲しい?」

そう聞かれ、躊躇った後にクラウドは小さく頷いた。それはあまりに小さくて、頷いたのかどうか傍目には分からないほどだったが、ザックスにはとっくに分かっていた。

「じゃあ言えよ、ちゃんと」

クラウドは、これまた小さく首を左右に振る。

「だーめ、言え。欲しいんだろ。ほら、ザックスのが欲しいって。言ってみろよ」

「…っ、ザックス…の、が…欲し…」

はっきり言ってクラウドにとってそれは、恥辱の極みみたいなものだった。それでも何とか口を震わせながらもそう言う。

しかし、その日のザックスは更にクラウドに圧力をかけた。上出来、と言いながらもまだ言葉は続く。

「じゃあ…どこが欲しがってる?」

勿論その言葉に答えは無く、ザックスは囁くようにもう一度それを繰り返した。それは少し荒くなった息遣いと共にクラウドの耳に流れ込んでくる。

「なあ…どこが俺のを欲しがってる?…教えてくれよ」

その言葉と共に、ザックスの指がクラウドの中を勢い良く掻き回した。

「あ…っ!…そ、…そこ…っ」

「ん…?」

クラウドは絶え絶えな声と、今にも泣きそうな顔で、結局は言うしかなかった。

「ゆ、指……入れ、てる…トコ…」

「ふうん?」

必死の言葉にそう返すと、ザックスは勢い良く指を抜きさった。それから、もう既にピンと張り詰めていた自分の下半身に手を伸ばすと、そうした後にクラウドの身体を持ち上げた。

背だけつけた状態で上にずれると、足を抱えたままでザックスはクラウドの中に入っていく。散々に弄られた後とはいえ、それはまた別個の感覚でクラウドの中に押し寄せた。

「んあっ、あああっ!!」

喘ぐその姿を見ながら、ザックスはひたすらに腰を動かす。悶えるクラウドは、ザックスの肩に置いた手で自分を支えるように力を込めていて、それはガッチリとして動きはしない。

「ほら、クラウド…っ!これが欲しかったんだろ、っ」

 荒い息遣いと、少しばかり荒い口調。

しかしそれはもう既にクラウドには届いてはいない。それでも何かにぶつけるしかないというように、ザックスの攻める言葉は続いた。

それでも。

あれだけ何度もクラウドに辱めの言葉を与えて変な満足もしたはずなのに、その表情はあまり良いものではなかった。

 

 

  

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