Diary of ZAX

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小川の側ではしゃぐ子供達。

すっかり綺麗に晴れ上がった空。

平和な日々。

誰も苦しみはしない。

楽しげに、笑って。

 

子供が一人、楽しそうに笑う。

 

子供が一人、不思議な声を出す。

 

子供が一人、川べりを覗き込む。

 

「ねえ、何か落ちてるよー!」

「なになに?」

そう言って円のようにそれを囲む。その視線の先には一冊の古びた本のようなものが落ちていた。

「何だろう?」

「ねえねえ、あけてみようよ!」

「面白そうー!」

子供達は何も知らない可愛らしい顔でそう言い合う。

その昔に何があったかすら知らない、“未来”の子供達。

平和の中で生き生きと暮らす子供達。

その古びた本は、もうすでによれよれで、読めるかどうかすら分かりはしなかった。それでも子供達は興味本位でそれに手をかける。水でしめった重い本は、もう脆くて崩れそうになっていた。

それでも、そこに文字は残されていた。

 

子供が一人、そのページを捲る。

 

子供が一人、その文字を目で追う。

 

子供が一人、口に出して読み上げる。

 

何も知らない未来の子供達が、それを手にしていた。過去に置き去りにされた空間に迷い込むかのように――――――。

 

 

 

始まりはこんなふうだった。

最初のページには何も書かれていなくて、その次のページからそれは始まる。

 

 

“多分、これを誰かが目にすることはないだろう。それでもこんなふうに書き残してしまうのは、きっと耐え切れないからだ。

もし、誰かが目にしたとしても、きっと此処に書かれていることの意味はわからないだろう。

もしも俺が生き続けることができたならば、俺はその時これを捨てようと思う。

だから、もし誰かがこれを読むなんてことがあるなら、それはきっと

 

俺が死んだからだろう“

 

 

目にした“死”という言葉に、子供達は首を傾げた。

「死んじゃった人のみたいだよ?」

「そうだね」

「続き、読んでよー」

そう言い合って、事も無げにそれを読み続ける。しかし文章の殆どは、彼らには難しい言葉ばかりで読むことができなかったが。

次のページにはこうあった。

 

 

“どうしたら良いんだろう。分からない。

何をやっても手につかない。

どんどんと時間は過ぎて、焦りだけが募ってく。

帰りたい。

できるなら。

あの頃に。

何もなかった頃に“

 

 

ところどころ濡れたり切れたりしている本。

それでも何かがこめられた本。

それは、過去の遺産だったかもしれない。

世界にとってではなく、消え去った時代の人々にとって、の。

 

子供達の横では、澄み切った小川が、サラサラと流れていた。

 

Diary

COUTION

■これより先、ザックスの日記に入ります♪