How to use...?

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クラウドはぷんぷんと怒っていた。

何故っていっつもいっつもセフィロスは、クラウドを子供扱いするからである。もう何度も止めろと言っているのにセフィロスは何かにつけてクラウドに「お子様だから」とか「所詮ガキは…」とかクラウドの怒りをマックスにさせる言葉を口にする。

――――――何だよ!

――――――そのお子様にあんなコトやこーんなコトをさせて喜んでる奴は誰だよ!?

…クラウドがそう思うのも無理は無い。

そもそもセフィロスはクラウドにそんなことを言うクセにクラウドにゾッコン(死語)なのだ。それなのにあんなことを言うのだから、クラウドとてその矛盾にぷんぷんするのは当然である。

であるから、クラウドは何か良い方法は無いものかと考えあぐねた。

どうにかしてセフィロスをギャフン(死語)と言わせてやりたい。

しかしセフィロスときたらもう何枚も上手なもんだから今迄何度クラウドがそう思ってワナを仕掛けてもへっちゃらな顔をしているのだった。

何とか―――――――何か良い方法は無いものか。

そんなコトを悶々と考えていたとき、クラウドとセフィロスの共通の友達であるザックスがこんなコトを言った。

「そりゃクラウド。操りゃ良いのさ」

――――――“操る”…??

クラウドは目をぱちくりさせてそう聞き返したものである。

はて、操るとはいかなものか?

そうハテナマークを飛ばしていたクラウドに、ザックスはニヒヒと笑ってこう言った。

「だからな、要は正しい使用法を極めりゃ良いのよ」

「た…正しい使用法??」

「そ。セフィロスをうま〜い具合に使いこなすワケよ」

そんな、セフィロスは物じゃないんだよ!と言おうと思ったクラウドだったが、はて、これはもしかすると良い案か、そう思い直してその言葉を飲み込んだ。

まるで悪代官と越後屋の如く耳と口を寄せ合った二人は、それはつまりどういうふうにやれば良いのかという具体案について話し始めた。お主も悪よのう、である。

「つまり、だ。あのオッサ…いや、お兄サンはお前にホの字だ。このレベルはかなりのモンと見た!」

「ふむふむ」

まずは現状確認から。

で、その次は。

「で、だぜ。かなりのホの字ってコトはお前のワガママってのには何でも言うコト聞いてくれるハズなワケよ」

「何で?」

「なっ…何で、って…」

惚れた弱みというヤツをあんまり良く理解していないらしいクラウドは、無邪気な顔をしてそんなことを聞く。実際クラウドもセフィロスからの用事を断ることが出来ないのが多かったが、どうやらクラウドはそれこそがこの“惚れた弱み”だということをさっぱり理解していないらしい。

…尤も、あの英雄にモノを頼まれて断れる輩なんていうのは滅多にいなかったが。

そこを説明してると時間がかかるんだ、と言ったザックスは話を先に進める為に、それはそういうモンなんだ、と強制的にクラウドに教え込んだ。

クラウドは、ふーん、とか何とか言って納得している。

「で、だ。そういう訳だから、お前はセフィロスに対してかなりの権力を持ってるってコトだ。…そりゃ神羅の社長にも劣らねえ」

「何と!!」

…そんなハズが無い。

「お前はその権力を使ってセフィロスを、ちょちょいのちょいってな具合に操りゃ良いのよ」

そう言ったザックスは、例えば、とこんな事を言った。

――――――例えば、そんなに子供扱いばっかしてると別れるぞ!と脅迫してみる…。

その案はあまりにもリスクの高い案であることは確かだった。何せセフィロスときたら、そんなことを言った瞬間に逆ギレして本当に別れそうな気がする。そんなことになったら、売り言葉に買い言葉で修復できない程になってしまうんじゃないか―――――…そう思うとクラウドの方が恐い。

「…お、俺にはソレ、できそうにないよ…」

クラウドは色々想像を膨らませ、一人で落ち込み、一人で涙しそうになりながら弱弱しくそう言った。

「そうかあ?」

ザックスの筋肉より逞しいクラウドの想像は、どうやらザックスには伝わらないらしい。

「そうだよ。だって、万が一本当に別れちゃったら俺、ショックだもん。何か他の案、無いの?」

「うーん…」

他の案、そう言われてザックスは悩んだ。ザックスにとっては脅迫大計画が余程素晴らしい案だったらしく、それ以外というのがあまり浮かばない。っていうか、その一個だけしか考えて無かった。

しかしザックスという人もなかなかのお人好しだったので、そう聞かれるとついつい頑張って考えてしまうのだった。

「うーん…」

「うーん…」

――――――――思考すること30分。

あんまりヒマすぎてアルファベットの最後のヤツが3つばかし並びそうになった頃、ザックスは「分かった!」と、どこぞの発明家の如くに叫びを上げた。

「そう、こりゃ良い…――――――ニヤリ。」

「なになになにッ!!?」

コソコソコソコソ…。

――――――――こっそりと話すこそ30分。

…こうして晴れて、クラウドによるセフィロス使用法は決まったのであった。

 

 

 

何も知らないセフィロスは、その日も上機嫌に正宗の手入れを鼻歌付きで終え、ちょっとしたことを閃いて神羅から出かけた。その閃きとはクラウドへのちょっとしたイジメである。イジメと言ったってそりゃ勿論、愛あるイジメであってそれ以外の何物でもない。

クラウドは子供扱いされるのを嫌がっている―――――――それはセフィロスもしっかり知っている。知っているのに何故それをするかといえば、ソレは勿論……愛!、これである。

クラウドがちょっぴり嫌がって拗ねる姿…それは英雄にとってはすこぶる興奮剤なのであって、セフィロスはつまりワザとソレをしているわけである。何せそうすると自分が幸せなもんだから、まさかクラウドがちょっぴりどころか烈火の如く、拗ねるどころかバースト100%…であることなんか考えもしなかった。

そんな訳でセフィロスは、今日もちょっとばかしその幸せを噛み締めようと、あるネタを考えたのだった。

出かけた先で買ってきたのはショートケーキ。

コレ、クラウドの大好物の一つである。

甘党なクラウドは菓子類も大喜びで平らげる。コーヒーなんかは砂糖とクリームを3杯づつ入れてやっと飲めるという具合。因みにピーマンと人参は敵である。

こういう食の好みについてセフィロスはいつもクラウドのことを子供だと口癖のように言って幸せを噛み締めていた。実際大人でもそういう甘党な人はいるのだが、どこかズレているらしいクラウドはそれに気づいておらず、結局反論もしないまま拗ねてしまう。…いや、本人はバースト100%なのだが。

そんな訳でセフィロスはワザとそのショートケーキをクラウドに差し出してみて「わあ、オイシそう!」なんて言うだろうクラウドにサクッと例の言葉を言ってまんまと幸せを噛み締めようという、姑息且つ性悪な計画を立てていた。

しめしめ―――――クラウドのヤツはすぐに嵌るだろう。

想像するだけでもニヤけてくる。そんな瞬間、セフィロスはやはり幸せである。

そうして散々、妄…想像した挙句にセフィロスがそれを実行に移したのは、それからちょっと後の話だった。

 

クラウドの訓練終了後の事、セフィロスとクラウドは密かに会うことにしていたので、その予定通りセフィロスの部屋で落ち合った。

クラウドはいつもと変わらぬ様子でその場にやってきて、セフィロスの顔を見てパッと笑顔になる。そういう他愛無いコトでさえ幸せになれたセフィロスだったが…そう――――忘れてはならないのが例の計画である。

セフィロスは、ともすればニヤけてしまいそうになるのを必死に抑えつつクラウドをソファまで連れて行くと、密かにほくそえみながらその目前に例のブツ――――…ケーキを投入した。

箱詰めケーキの、箱の側面に書かれているのは有名店の名前である。そのケーキときたら絶品という…勿論クラウドもソレを知っているし、実際口にしてその美味しさを噛み締めた。因みにセフィロスは辛党だったので、悲しいかなその美味しさを噛み締めることはできなかったが。

―――――して、反応は。

「どうだ、クラウド。お前の好きなショートケーキだ」

ニヤニヤしながらそう言ったセフィロスに、クラウドは…。

「―――――――俺、食べたくないな」

「!!!!??」

―――――それは正に衝撃だった。衝撃以外の何物でもない。

拒否…未だかつてそのようなコトがあったであろうか!?

今迄数回買ってきた中でそんな事は一度として無かったというのに、これはいかなるコトか。セフィロスが驚いて開いた口を、ふさげなかったのは言うまでもない。

「クラウド…本当にいらないのか?」

「うん」

「本当に本当に本当に本当〜にか?」

「本当に本当に本当に本当〜に、いらない」

―――――――…おかしい…。

セフィロスはそう思った。しかしソレと同時にこうも思う。

―――――――…つまらない。

セフィロスとしてはソコで喜ぶ(ハズだった)クラウドに、すかさじ「クク…お子様め」と言って、拗ねるのを見ながら、してやったりとほくそ笑んで幸せを噛み締める予定だったのだから、ソレが起こらないと言うことは即ち、セフィロスは幸せを逃してしまったという事である。

しかし要らないと言うのだから仕方無い。

加えて辛党のセフィロスはソレを食べることができないから折角のケーキもゴミ箱行きである。…勿体無い。

しかし、調子が狂うのはそれだけではなかった。

クラウドはこんなことまで言う。

「それより何か飲みたいな」

そう言うものだからセフィロスは少し嬉しくなってこう言った。

「なになに…ジュースか、それとも砂糖3コとミルク3コのコーヒー…」

「ブラックで」

「なるほどブラックか…―――――――――ブラック!!?」

「うん」

――――――――おかしい…!

明らかにおかしい。

ブラックなどというモノをクラウドが飲んだことなど、今迄一度として無い。間違えてそれを口にして「おえ〜」だとか言った人間がまさかそれをオーダーするなど有り得ないことである。

この天変地異並の出来事にセフィロスは頭をハテナマークで埋めることしか出来ず、更に言えばちっとも楽しくないので幸せを噛み締めることもできなかった。

セフィロスは仕方なくブラックコーヒーを出したものだが、クラウドがソレを一口飲んで「美味しいね」なんて言ってにっこり笑うものだからすっかり調子が狂ってしまった。

それでもこの二人の時間はやはり、麗しき恋人同士の愛の時間である。

だからいくら調子が狂っていても、取り敢えず恋人としての時間というのだけはしっかりこなすワケで、セフィロスの場合この時間内に夜の営みもしっかりと含まれていた。まだ夕方だが、それはこの際無視しておく。

ペースが乱れ、調子は狂い、それでも何とか二人は会話を続けていたが、お約束のその時間に踏み込んでから少しだけセフィロスは調子を取り戻していた。…気がした。

まず、寝室に移動。コレ基本。

そして折角だから雰囲気作りをしてみる。その方法は極秘であるからココでは割愛するとしよう。

で、ベットにズバッと入り込んだ二人は、まず最初にといってキスなどしたりする。

そこまできてセフィロスは、完璧にペースを掴んだ気がした。何故かってそれは、愛の営みの場合それはほぼセフィロスが主導権を握っているからである。

クラウドをお子様扱いして幸せを噛み締めるコトには失敗したが、はて、良く考えればこの営みに関してだけは絶対にクラウドにペースを乱されることは無いのだ。もしココでクラウドがセフィロスのことを襲いでもしたらさすがにペースは大崩壊しただろうが、どうやらさすがにそれは無いらしい。…まあそれも面白そうだが。

であるから、これはもしや幸せを噛み締めるチャンスではないかとセフィロスは俄か性器…じゃなくて生気を取り戻した。

そうだ、クラウドが「あん」だとか「うん」だとか言ってる間に、ごくあるアダルトの如く「可愛いな、ククク」などと低く笑い、間接的にお子様扱いすることもできちゃうわけだ。

セフィロスはそこまで計画し、フッと思わず笑ったものだが―――――――…しかし。

しかし、である。

ココに更なる天変地異が勃発した。

平たく言えば大ショックだった。

というか平たく言わなくても大ショッキングだった。

そう…それは、セフィロスがムフフと心中で笑みながらクラウドの性感帯(※熟知済)を愛撫している時に勃発する。

鎖骨の辺りにキスマークが残りそうな強いキスをしながら、クラウドの胸の突起を指先でくちゅりと愛撫していたセフィロスは、暫しのご満悦からハッと我に返った。何

故かといえば―――――――――おかしい……そう、おかしいのである。

いつもだったらここらで一発、下半身が刺激されそうなクラウドの吐息なんぞが聞こえてくるハズなのに、どうやら…それが無い。

「?」

おかしいな、そう思ってふとクラウドの顔を見遣ると。

「―――――――おい。何やってんだ…」

「え。何って、寄り目の練習」

「……」

―――――――――何をやっとんじゃ貴様はあああああ!!!!

セフィロスはそうガッツリ叫びたかったが、目にしてしまったクラウドの寄り目の顔があんまりにも危険且つヤバすぎだったので、叫ぶどころかついプッと噴出してしまった。この時点で萎え度50%である。

しかしそこで「ほう、なかなかやるな」だとか「サブトン3枚!」とか言ってる場合ではない。アンビリーバボーと叫んでいる場合でもない。

どういう場合と言われればそりゃ勿論、怒る場合である。

という訳で。

 

 

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