AZURE FEELING

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クラウドが決めた無茶苦茶な「記念日」。

一ヶ月に一度やってくる記念日。

その初めての記念日が終わってから数日、セフィロスは考えていた。

クラウドはあんな事で本当に納得をしたんだろうか。

よく分からなかった。

もっと目に見えて分かる何かがあれば良かったとそう思う。

クラウドから渡されたプレート付きのアクセサリを弄りながら、セフィロスは良い案が無いかと考える。

「それで明日の任務の件ですが…」

先刻からセフィロスに任務の予定を長々と説明している一雑兵は、相手が全く聞いていない事を承知の上で喋り続けていた。

しかし、ふとセフィロスがその言葉を遮った。

「おい、お前」

「はっ」

「…欲しいものといったら何だ」

「……は?」

雑兵は驚きのあまり固まった。

「欲しいもの…でありますか?」

「そうだ」

「それは勿論、神羅の―――」

まさか繁栄が云々などとぬかすのではあるまいな、と図星を突かれ、雑兵は返す言葉を失った。その様子があまりにも予想通りで、セフィロスはガックリと肩を落とす。

聞きたい事はそんな事では無い。

「では質問を変えよう。そうだな…丁度、お前くらいの歳の男というのは、どんなものに興味があるだろう?」

「えっ!そ、それは…」

「履き違えるな。物だ、物」

「あっ、はあ…」

よからぬ思考を止めて雑兵が出した答えは、案外と簡単なものだった。

 

 

参考程度に聞いた話ではあったが、セフィロスにとっては良い情報だった。

『最近ではアクセサリが流行ってます』

やはりその手合いか、と思いながらも、ではどんなものが良いのかと悩んだ。

実の所、セフィロスはやはり何らかの形で“返し”たいと思っていたのだ。

お揃いのアクセサリという訳にもいかなかった。

それは、クラウド自らが選んで来た事に対して、何とも手を抜いているように思えたからだ。

何かもっと別なもので、同じように肌身離さず付けていられるものが必要である。

しかし良い案は浮かばなかった。

「出かけてみるか…」

いささか面倒な事だとは思ったが、それでもセフィロスは実行に移そうと決めていた。

不思議な事だったが、どんなものにせよ、何かを返さなければ気が済まなかった。

 

 

 

 

「え、何で?」

今日はセフィロスに会う予定も無いからと自室に戻ろうとしていたクラウドは、突如呼び止められて耳にした言葉にそう返した。

相手は、セフィロスだった。

兵舎まで足を運ぶ事は滅多に無い事だったからか、そこに存在があるだけでクラウドは驚いた表情をしていた。

「無理か?」

「いや、そんな事無いけど…でも、何で?」

セフィロスが言った言葉に、クラウドはしきりに疑問の言葉を投げた。

「記念日をやり直すって…いきなりどうしたんだよ?」

「どうでも良いじゃないか」

「う〜ん」

クラウドは訝しげにセフィロスを見る。

この間終わったばかりの記念日に、そうそう大きな内容も無かったもののクラウドはそれなりの満足をしていた。

やり直そうというからには何か不満でもあったんだろう、とクラウドは少し悔しくなる。

大体、セフィロスは記念日すら忘れていたのだ。

それなのに、どういった理由でそんなふうに思ったのか。

「怪しい…」

「馬鹿か、お前は」

もうかれこれこの話を三十分ほどしている。それでもなかなか返事を出さないクラウドに、セフィロスはいい加減痺れを切らしていた。

とはいえ、これだけは首を縦に振らせなければならない。

そこでふと思いついて、セフィロスは言った。

「…明日からまた暫くは会えないんだが」

その言葉に、クラウドは俄かに表情を曇らせた。そして、分かった、とだけ言う。

それは全くの嘘だったが、信じ切っているクラウドを見てセフィロスは必死に、ニヤけるのを抑えた。

単純と思う反面、どうしてこうも素直なのだろうとも思えた。

 

 

 

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