シドはクラウドの下半身を剥き出しにし、それから腰を高く上に上げた。

「おい、分かってんだろうな。俺様は一発じゃあ終わらせねえぜ」

「シド、止めろ!」

 シドの腕を強く掴んで取り払おうとするが、それは呆気なく敗れてしまう。

「おい、抵抗してんじゃねえよ」

 焦りで顔を強張らせているクラウドを見下ろして、シドは唇を舐める。

 こう見てみれば、クラウドもそうそう悪くは無いなどと思った。男にしては顔も割と良い方だし、性格的にも少し女々しい部分がある。

 グイ、と太股を掴みこむと、シドは自分の下半身を押し付けた。

 まだ何も準備していないクラウドの中に無理矢理に押入れ、勢い良く腰を振ってみる。

「痛…いっ!やめろ、シドっ!」

 痛みで思わずシーツを握り締めたクラウドは、顔を歪ませてそう叫んだ。しかしシドの動きは止まるどころか勢いを増すばかりで、何度も吐き出されたクラウドの言葉は悉く無視される。

 段々と慣れてくるクラウドのその部分に、シドは夢中になって腰を動かした。 女とは違う快感が、シドを満たしている。

「あ…あっ、やだ…シド…っ!」

 嫌だ、止めろという言葉を使いながらも、クラウドの声も快感の色を帯びていて、それが一層シドを興奮させた。

 普段は見る事無いクラウドの顔。そして声。

 妙に色気づいて見えるのは酒のせいだろうか。それともクラウドの元々持つ素質なのだろうか。

「へっ…おめえ…なかなか良いぜ。これでもかってくらい締め付けてきやがる」

 慣れた女のガバガバの穴より断然こっちの方が気持ち良い。シドはそう思いながら、クラウドの中に何度も突き刺した。

「駄目、や…だっ…」

「馬鹿言ってんじゃねえよ。お前だってもう、ビンビンに勃ってるじゃねえか」

 何度も深く突かれる快感で、クラウド自身も高く首を持ち上げた状態になっていた。シドのやり方は少々手荒だったが、それでもこんなに興奮している自分にクラウドは情けなく思う。

 仲間とはいえ、男に嬲られて勃起しているなんて冗談では無い。

 だが現実にもう、シドの突き上げから逃れられないのは確かだった。

 思わずクラウドは腕を交差させて顔を覆い隠したりする。

「ほらよ、クラウド。顔なんか隠してんじゃねえ、もっと見せろよ。お前、感じてんだろ。俺様に突っ込まれて悶えてる顔、もっと良く見せろよ」

「やだ、っ…」

「何だあ、まだそんな事言ってやがるのか。こりゃ、仕置きが必要だなあ」

 そう言いながらシドは、欲望のままに律動を早めた。肉がぶつかる卑猥な音が部屋中に響き渡り、それはクラウドの耳にも届いた。それは深く強い強引さもあり、クラウドをさらに混乱させる。

「あ、あああっ!」

「ほらよ、どうだ、え?気持ち良いだろ。もうイキてえだろうが、そうはさせねえぜ。俺様がまだだからな」

 スタミナのあるシドの動きは、クラウドの限界までひたすらに続く。

 もう既に到達しそうになっていたクラウドは、それが悔しくて自分の勃起したものを両手で押さえ込んだ。何とかしてそれだけは避けたいと思ったのだ。

 シドはそれを見ながら、

「健気な事すんなあ、お前ぇも」

と呟く。

 ピクついている体に、クラウドの表情は更に険しくなった。

 それでも口からは喘ぎ声しか出てこない。

「なあお前、本当に良いぜ。もしかして男も初めてじゃねえのか?」

「違、うっ!…ん、あっ」

「へへっ。そうか、じゃあ俺様は初めての男か?」

 自分の腹の下で悶絶するクラウドに、シドは満足していた。

 シドは、男とやるのは初めてでは無い。それは相手に好意があるとか無いとかの問題ではなく、単にお互いの性欲を開放する為だけのもので、見たくも無いゴツイ男の顔なんかを眺めた事もあった。

 だが、クラウドはそれとは違っている。

 小奇麗な顔をして、無駄な抵抗などをしながら悶える姿は、男から見ても少々そそられるものを持っていた。

「おい、出すぞ」

 時々強弱をつけて振っていた腰にラストスパートをかけるようにすると、シドはクラウドの中に精液をぶちまけた。

 

 

 やっと開放された体をぐったりと横たえているクラウドに、シドはそれでも手を伸ばす。

「お前はまだイってねえもんな。満足できねえだろ?」

 それは尤もな言葉だったが、クラウドはその後に続く行為が怖かった。今しがた終わったばかりなのに、シドの下半身はまだ十分に元気に持ち上がっている。

 こういう事に、とことん強いらしい。

 シドはクラウドの身体を持ち上げると、部屋の隅に置かれている全身鏡の前に座らせた。それからクラウドの背後に回ると、後ろから抱きかかえるようにして腰を持ち上げる。

 もう十分に慣れたクラウドの後ろに、シドは再度自分を押し入れた。さすがに今度はすんなりと受け入れてくれる。

「おい、足は大きく広げろよ」

 そう言いながら強制するように開脚させると、クラウドの手の甲を掴んだ。それをクラウドの足の付け根に持っていき、先ほどから我慢ばかりを強いられているそれを掴みこむ。

 それは目前の前面鏡にしっかりと映し出されていた。

「俺様も手伝ってやるからよ」

 シドはゆっくりと手を上下させる。それから段々とスピードを速めていく。

「俺様は腰も動かさなきゃなんねえんだから、自分でしっかりシゴけよ」

「やだ、こん、…なのっ」

 そう言いながらも欲望にかられてクラウドの手は自慰を始めている。今はもうシドの手は離されており、それはクラウドの腰に沿えられていた。

「…なあ、目ぇ開けて見てみろよ。お前がどんな顔して犯られてんのか」

 耳元でシドがそう囁いた。

 前面鏡は隠す事無く行為の全部を映し出している。見たくは無いが、目を少しでも開ければそこには淫乱な姿が見えてしまう。

 男に散々背後を突かれて、そして自分で自分を弄りながら苦悶している顔。

 どう考えても嫌だった。

「素質あるなあ、おめえは。男を誘う素質って奴よ、なかなかいねえからな」

「違う、俺はそんなんじゃ…」

「そうかあ?」

 シドは散々に突き上げた。

「はあ、っんあ…ああっ!」

「…そうは思えねえけどなあ?そんな声出しちまってよお。ほらよ、見てみろって。もっと嬲って下さいって物欲しそうな顔してるぜ?」

「ちが…あ…っ、んっ」

 後ろから来る快感と、自分の手から来る快感とで、クラウドの思考はグルグルと回っていた。突き上げられる度に、無意識に手が動きを早める。

 限界近くまで来たのに開放しなかった精は、一度落ち着いてしまうと中々這い上がって来ない事が多かったが、今日はどういう訳かいつもと違う。

 また限界が近づいていた。

「あっ、もう…っ」

 溜まらずにそう口に出すクラウドに、シドは拍車をかけるように、動きを強めた。

「イきそうか?だったら俺様も頑張らねえとな」

 一気に押し寄せる快感に眉根を寄せて、クラウドも自分の動きを強めた。

「あ…ああっ!」

 勢い良く吐き出された精液は、クラウドの絶頂の瞬間を映し出した前面鏡に降り注いだ。べっとりと張り付き、ゆっくりと垂れ落ちてゆく。

 その瞬間のクラウドの表情が、シドの下半身に興奮をかける。

「良いなあ、お前。すげえ、そそる」

 自分の中の欲望を開放して疲労感に身体をもたげているクラウドを、シドはこれでもかという程に悶絶させた。

 しんなりと萎え切ったクラウドのものを手に包み、今度はシドがそれを揉み揺り動かした。今まで散々握りこんでいたので、相当の摩擦疲労がある。

 意外と手荒で無いのは幸いだった。すぐに快感が訪れる事はないが、痛みも無くて済む。

「俺様ももうイクぜ」

 そう宣言したシドは、精液で曇る前面鏡の隙間で、クラウドの表情を眺めながら再度の射精を終えた。

 

 

 ぐったりとした体に服を着せるのはシドの役目になってしまった。二度も突かれて相当参ってしまったらしい。それもそうかもしれない。初めてそんな事をされたのだから。

 シドは1階まで上がると、カウンターの女に向かって礼を言いながら金を放った。

 女はシドを見て不思議そうに首をかしげる。

「どうしたの、その坊や?」

「ああ、何でもねえ。ちょっと早かったみてえだ、こいつにゃあ」

「そう?」

 そう言うシドの背中には、目を閉じて寝に入っているクラウドがいた。

 何だかんだいって成年男子に変わりないその重みを担ぎながら、シドは少し考えこんでいた。

 

 ------また襲っちまいそうだなあ。

 

 

END

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