>>> ウソツキ。

 

これまでの人生で、多くの人と出逢った。

皆、大切だった。

それでも皆、違うものを求めてた。

 

俺は俺であって、俺じゃない。

戦いが終わってからも、ずっとそう思ってた。

クラウド、誰かがそう呼ぶ。皆がそう呼ぶ。

だけど、それさえ嘘かもしれない。

そう思い込んでるだけかもしれない。

 

ティファはそれを否定して、俺を俺に繋ぎとめてくれた。

だけど、それさえ嘘かもしれない。

本当は俺は俺じゃない。

俺は誰でもない。

誰かがつけた“クラウド”を演じてるだけなんだ。

 

その人をその人だと判断するのは一体何だろう?

外見?

記憶?

性格?

でもその全ては作り物かもしれないじゃないか。

ジェノバ細胞がそうできるように。

そんなのは判断基準じゃない。

固定の人格なんて存在しない。

そこにあるのは、ただの「人」。

 

ティファ、君は俺の事をそんなに知らなかった。

ティファに認めてもらいたかった。

それは本当だった。

だけど、どうして大した仲間でも無かった俺に、

あんな約束をさせたんだ?

好きなんかじゃなかったんだろう?

それはズルいと思わないか?

…それは最初の裏切り。

 

セフィロス、あんたは俺の理想だった。

あんたのようになりたかったよ。

憧れ続けていたかったよ。

だけどそれさえできなかった。

…それは二番目の裏切り。

 

ザックス、ザックスは俺を認めてくれた初めての人だった。

嬉しかった。

いつも明るいザックスが大好きだった。

俺の命まで繋ぎとめてくれた。

絶望しかない、命まで。

…それは三番目の裏切り。

 

一緒に旅をした皆、皆は俺に優しかった。

醜い過去や真実まで一緒についてきてくれた。

暖かかった。

幸せだったかもしれない。

それでも皆は違うものを求めて集まった仲間だった。

やがて離れる事を知っていて集まった、仲間だった。

…それは四番目の裏切り。

 

俺、俺はセフィロスを倒して、生きている。

生き続けている。

何もかもが仕組まれた事のようだった、あの過去を知っても、まだ。

クラウド、として。

生きている。

…それは最後の裏切り。

 

どうしようもない俺に夢を与えた。

夢を膨らませて、突き落とした。

絶望しても、安楽の死さえ選択できなかった。

優しさの罠に埋め込んだ。

そして、もう何も無いのに、歩いている。

 

ああ、だけど。

あの人の元にならかえりたい。

だけど。

 

 

皆、大切だった。

それでも皆、違うものを求めてた。

 

 

俺は俺であって、俺じゃない。

クラウド、誰かがそう呼ぶ。皆がそう呼ぶ。

裏切りながら、そう呼ぶ。

 

 

 

ウソツキ。

 

 

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